ロサンゼルスの映画祭に行こう

ロサンゼルスの大きな特徴の一つに「ハリウッド=映画」が挙げられます。巨大な映画スタジオがたくさんあるし、映画ロケ地もそこら中にある。ハリウッド俳優を見かけた、なんて話もたまに聞く(移住前に期待していた程は聞かない、そう簡単には出くわさない)。

私がLAに住んでいて「あぁ、映画の街なんだなぁ」と感じるのは映画祭の多さで、毎月のように映画祭がある。アカデミー賞のような世界的な映画祭もあれば、日本映画だけの映画祭もある。そこで今回は、ロサンゼルスならではの映画祭の楽しみ方をご紹介します。
 

映画祭の年間スケジュール

まずはロサンゼルスおよび近郊都市で行われる主な映画祭のスケジュールから。
 

Palm Springs International Film Festival(1月)

パームスプリングス国際映画祭
ロサンゼルスから車で2時間ほど内陸のパームスプリングスで毎年、年初に行われる映画祭。往年のハリウッド関係者の避寒地(別荘地)としても有名な場所で、かなり有名な俳優陣もガラに登場する。2020年にはシャーリーズ・セロン、ジェニファー・ロペス、サルマ・ハエック、アダム・ドライバー、アントニオ・バンデラス、ジェイミー・フォックスなど。
期間中、周辺の映画館で様々な作品が上映され、一般人も鑑賞が可能。
次回開催:Jan 6-17, 2022(第33回)
公式サイト:Palm Springs International Film Festival

Screen Actors Guild Awards(1月)

Screen Actors Guild(映画俳優組合、通称SAG)による映画とテレビを対象としたアワードで1995年から開催されている。組合会員がアカデミー会員との重複が多いため、アカデミー賞の前哨戦とも言われる。賞の模様はケーブルテレビで放映される。
公式サイト:Screen Actors Guild Awards

ゴールデン・グローブ賞 / Golden Globe Awards(1月)

ゴールデングローブ賞
ロサンゼルスで行われる映画とテレビドラマの賞。ハリウッド外国人映画記者協会の会員(2021年2月時点で87名)の投票により各賞の最優秀賞が決められる。授賞式の様子はNBCにて全米にテレビ中継される。
※なお、2021年に発覚した人種・性差別問題により今後の開催が危ぶまれている。
公式サイト:Golden Globe Awards
 

Japanese Film Festival(2月)

Japan Foundation主催による映画祭。最新映画ではなく、2010年代の話題作や小津安二郎作品などの上映を行う。
公式サイト:Japanese Film Festival
 

アカデミー賞 / Academy Awards / The Oscars(2-3月)

アカデミー賞
映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences)による映画賞で、最優秀賞に贈られるオスカー像から「The Oscars」とも呼ばれている。ロサンゼルスのハリウッドにあるドルビー・シアターで開催され、会場まで敷かれるレッドカーペットを映画関係者が入場するシーンも含めて全米にABCにてテレビ中継される。
※2021年はコロナ対策のため別会場(LA市内のユニオンステーション内)で行われた。
公式サイト:The Oscars
 

Los Angeles Asian Pacific Film Festival(5月)

アジアや太平洋の国々で製作された作品の映画祭
次回開催:May 5-14, 2022(第38回目)
公式サイト:Los Angeles Asian Pacific Film Festival
 

Outfest Los Angeles LGBTQ+ Film Festival(8月)

”LGBTQIA+の多様なストーリーを可視化し、ストーリーテラーに力を与えることで、共感を得て、意味のある社会的変化をもたらすことを目的とするOutfest”による映画祭。
公式サイト:Outfest Los Angeles LGBTQ+ Film Festival
 

Japan Film Festival Los Angeles(10月)

長編、短編、ドキュメンタリーなどを含む約30本の日本映画を上映。
公式サイト:Japan Film Festival Los Angeles
 

Animation is Film Festival(10月)

Animation is Festival

Animation is Film Festival 2021の様子(西野亮廣さん、廣田監督がオンラインで登場)


2017年からスタートしたアニメーション作品に特化した映画祭で、アヌシー国際アニメーション映画祭がパートナーとして参画している。「アニメと言えば日本!」ではあるが、日本以外の多くの国々からも出品される。近年では2019年のプレミア作品として細田守監督の『未来のミライ』が上映され、細田監督も登壇。上映後のインタビュー、Q&Aを行っている。
 
2021年には西野亮廣さんが監督総指揮・原作・脚本を務めた『エントツ町のプペル』が出品され、北米プレミア上映としても注目された。当日は上映後にZoomによる西野さん、廣田監督へのインタビュー、Q&Aが行われた。英語吹き替え版の世界初上映ということもあり、吹き替えを担当した声優・俳優(アメリカでも吹き替えを俳優が行う場合が多い)が会場で一般客と共に鑑賞。
公式サイト:Animation is Film Festival
 

Newport Beach Film Festival(10月)

ロサンゼルス近郊のニューポートビーチで開催される映画祭。
公式サイト:Newport Beach Film Festival
 

OC Film Fiesta(10月)

ロサンゼルス近郊のオレンジカウンティで開催される映画祭。
公式サイト:OC Film Fiesta
 

AFI Fest(11月)

AFI FEST

AFI Fest 2013の様子(是枝裕和監督が登壇)


ロサンゼルス市内で開催される映画祭のうち、一般人も鑑賞できる最も規模が大きい映画祭。ハリウッド映画の聖地とも言えるチャイニーズシアターを中心に開催され、ガラにはレッドカーペットが敷かれ、有名俳優たちが出席する。
 
2019年にはナタリー・ポートマン、オリヴィア・コールマン、アンソニー・ホプキンス、クリント・イーストウッドなどが登場。
日本映画も毎年1−3本ほど出品される。2016年には是枝裕和監督の『そして父になる』の上映に伴い是枝監督が登壇。
次回開催:Nov 10-14, 2021
公式サイト:AFI Fest
 

映画祭の楽しみ方

アカデミー賞作品賞ノミネート作品は事前コンプリート!

鑑賞済みの映画が多ければ多いほど、授賞式を楽しめる。まずは作品賞のノミネート作品(8-9作品)を制覇を目指しましょう。大手映画館のAMCでは、アカデミー賞直前に「Best Picture Nominees」と称して、土日の2日間でノミネート作品をコンプリートできるチケットを販売している。
 

世界各国の映画を一気に鑑賞できる!

ロサンゼルスで生活していると(LAに限らず海外で生活していると)日本映画に飢えてくる…。でもロサンゼルスなら他都市に比べ断然日本映画に触れる機会が多い。映画館のスクリーンで、ローカルの人々と肩を並べながら日本映画を観る機会はとっても貴重&楽しい。
 
因みに、昔のジブリ作品を映画館で観られるのもアメリカならでは。毎年行われている「Studio Ghibli Fest」ではジブリの人気作品をAMCなどの映画館で上映。懐かしいジブリ作品を劇場のスクリーンで鑑賞できるのは海外ならでは、かも。

スタジオ・ジブリ祭

2021年は『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』が上映された。


 

プレミア上映、レッドカーペットあり

アカデミー賞やゴールデン・グローブは流石に難しいが、AFIあたりになるとプレミア上映に参加できたり、レッドカーペットを観られるチャンスも。「あぁ、ここはハリウッドなんだなぁ」と実感する瞬間。
 

監督やキャストの対談、Q&Aセッションあり

特に日本映画の場合、監督やキャストがわざわざ日本から訪れることもあり、撮影の裏話が聞けたり、来場者の質問に答えてくれる。「DVD/ブルーレイの本編よりもメイキングが好き!」という人は特に楽しめる。
 

おすすめ映画祭

Animation is Film Festival
2017年スタートながら、既にその地位を確立しつつある映画祭。日本からは新海誠監督、細田守監督、西野亮廣さんがアフタートークに登場している。
 
AFI Fest
日本の映画が1-2本出品され、監督やキャストが登場することも。過去には『そして父になる』で是枝監督が、『あん』(河瀬直美監督)では樹木希林さんが来米している。2021年には『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介監督、村上春樹原作)が正式出品されているが、Covid-19の影響により関係者の来米は難しいかも。
 
アカデミー賞
当日は会場周辺で交通規制が入るため、レッドカーペットを見るために何ブロックも歩いて会場に近づいた友人曰く「全然遠くて見れない」そう。午後からレッドカーペットのテレビ中継が始まり、17時から授賞式が始まる。「あぁ、あそこで今行われているんだなぁ」と思うと、ロサンゼルス住まいを特別に実感できる。
 

もっとある!LAならではの映画の楽しみ方

LA有名大学での映画上映イベント

USC、UCLAなどの有名校には映画学部が存在する。いずれの大学でも日本文化や日本映画に関する関心は高く、例えば2017年には「Hirokazu Kore-eda: Cinema from the Outside in」(柳井イニシアティブとUCLA映画&テレビ学部の主催)が行われ、UCS・UCLAの両キャンパスで是枝作品が上映され、是枝監督も来米している。
 
USCキャンパス内のシアターでは定期的に映画上映イベント、USC Cinematic Artsを開催しており、一般人でも鑑賞可能なものも多い。筆者は過去に『かもめ食堂』や『誰も知らない』をUSCの学生に混じって鑑賞したことがある。特に前述の是枝作品イベントでの『誰も知らない』上映後には是枝監督が登壇し、司会を務めた同学部のアメリカ人教授の日本語の堪能さ&是枝作品の造詣の深さに驚愕。また映画学部の学生たちからのマニアックな質問も印象的だった。
 
UCLAでは早稲田大学と連携した「柳井イニシアティブ」という日本文化の研究およびそのグローバル化に取り組むプロジェクトが2014年にスタート。名前からもわかる通り(株)ファーストリテイリング代表の柳井正さんが多額の寄付を行っている。
 

公開前のモニター制度

Searchlight Screeningなどが行っている、一般公開前の上映会。「どのような人が、どんな感想を持ったのか」を調査するために行われ、作品によって招集するオーディエンスの属性が異なる。一般公開前のため参加条件が厳しく、Agreementにサインしたり、会場内へのスマホ持ち込みも禁止される場合も。

About the author

MAY

1999年より東京で、主にWebプロデュースに従事しつつ、オンラインショップの立ち上げ・運営などファッション系のプロジェクトにも参画。2011年より、長年の夢であった海外生活をすべくロサンゼルスに移住。
現在は現地のWebビジネス運営に関わりつつ、他媒体への執筆やアパレル買い付けのアテンドなども行う。

西海岸っ子たちの、自然体のユルさ、健康的な美しさ、自然(Nature)と遊び上手なところ、街や自然への愛情、、、は見ていて本当に羨ましくなります。"有機"ではなく本来の意味での"オーガニック"ライフだなぁと思います。『West Coaster』を通してそんな彼らの生活を紹介し、読者のみなさんに少しでもオーガニックな生活を楽しんでいただけたら嬉しいです。

趣味:街散策、キャンプ、国立公園巡り、LA/CAメイドのブランドを発掘すること