日本でも流行るか? 電動キックボード(電動スクーター)

突如ロサンゼルスの街に現れた変な乗り物

黒の車体に「BIRD」という文字が入ったキックボードをサンタモニカ周辺で見かけるようになったのは、2018年の春。あちこちで、スィーーーーっと移動する人たちを見かけ、あちこちでお揃いの真っ黒なキックボードが並んでいるのを見かけ。「勝手に乗っていいの?」「どうやって動かすの?」「ちょっと怖そう…」と思っているうちに、瞬く間に利用者&利用エリアが増えていきました。

2019年9月現在、利用可能範囲はハリウッドやダウンタウンまで拡大。BIRDの他に数社が参入し、同形式のサービスを4-5社ほど見かけます。市ごとに許可していく仕組みのようで、サンタモニカとダウンタウンはOKだけど、その間にあるビバリーヒルズでは違法なので走行禁止だったり、ハリウッドでは走行は合法だけど駐車は禁止という状況。また発祥の地であるサンタモニカでは乗り捨て問題を解決すべく、電動キックボード用の専用乗り捨てスペースを準備中だそう。

電動キックボードのシェアサービスはなぜ新しい?

乗り物自体も斬新だったけど、そのサービスも新しかったBIRD。
「え、そこら辺に乗り捨てていいの?」「え、アメリカの免許証じゃなくてもいいの?」など、驚くことばかりでした。前例がないサービスだったから、逆に好き勝手に作っていけたんでしょうね。

BIRDはこんなサービス

  • キックボードに電気の動力がついたもので、自動車運転免許証が必要。レンタルできるのは18歳以上。歩道の走行は禁止(車道を走ること)。
  • 事前にアプリをダウンロードし、運転免許証(日本の免許証でもOK)、決済手段(クレジットカード、デビットカード)を登録。
  • ステーションはなく、そこら辺のものを拾い、好きな場所で乗り捨てられる。
  • 課金は乗車ごと。1回の乗車で基本料$1〜$2がかかり、使用時間(分)ごとに課金される*。
    *各社・各都市により料金は異なり、例えばLAでbirdを利用する場合、基本料金$1 + $0.15/分。

さすがUber出身。とりあえずやっちゃうパターン

BIRDは元LyftやUberの経営者だったTravisにより2017年4月にサンタモニカで設立され、同年9月にサービスイン。1年で世界約60都市に拡大し、約10億人が利用したと言われています。2018年6月時点で評価額が10億ドルを突破し、史上最速(サービス開始から9ヶ月!)のスピードでユニコーン企業。最初は「BIRD」が一社独占状態だった電動キックボードのシェアビジネスですが、既に自転車のシェアサービスを展開していた「Lime」も電動キックボードをスタート。現在はUberアプリで使えるJUMP、Lyft、Spin(Ford社が買収したスタートアップ)、Razorなども同サービスに参入。

しかしながら、こんな斬新なサービスが最初からすんなり根付く訳もなく、何度も地元住民や警察と揉めています。確かに、車を運転している側にしてみると電動キックボードで車道を走られると危ないし、住民にしてみるとそこら辺に乗り捨てられるのは迷惑。サンタモニカ市や住民、警察と何度も揉めつつ、話し合いを重ね、やっと受け入れられた(というか諦められた)印象。Uberと言い、Airbnbと言い、新しいサービスの根付かせ方や順応スピードが何ともアメリカ式。特にこの電動キックボードは、許可も取らずにいきなりサービスインし、サンタモニカ市から罰金を命じられたり、警察から禁止命令が出たり。それに対する反撃方法がまたすごくて、ユーザーに予告なくサービス中止→ユーザーたちが撤廃反対デモ→メディアに取り上げられる→地元を説得(というか諦める)という流れ。「まずは関係各所にお伺いを立ててから…」という日本とは順番が真逆ですね。

因みに私は2018年春にBIRDアプリに登録しましたが、「BIRD存続のために署名を! 市との話し合いに出席を!」というEメールが何度か届きました。

ロサンゼルス観光名物、電動キックボード

近頃、パリ旅行をする友人が立て続けに「パリに来たら電動キックボードに乗らないと!」とInstagramに投稿してるのを見て、発祥はロサンゼルスなのに…と思いました。観光客でも乗れちゃうBIRD。でも運転には十分気をつけましょう! 初めて乗ったときは結構怖かったです。

BIRDの利用方法

      専用アプリをダウンロード(運転免許証、クレジットカードを用意)

        アプリで最寄りのBIRDを探す(バッテリー残量も表示される)
        車体にあるQRコードをスキャンし、起動
        走り始めだけ数回キックし、助走
        スピードは手元で操作
        目的地に着いたら、スタンドを立て、終了の操作をして完了

ヘルメット着用が義務付けられていて(といっても、ほとんど見かけない)、BIRD社ではアプリからヘルメットを注文することも可能。ヘルメット自体は無料で、送料の1.99ドルだけかかる。

電動キックボードのチャージ方法がまた斬新!

「こんなにあちこちで乗り捨てられたら、チャージするのが大変そうだなー」と思っていたら、なんとチャージしているのは「チャージャー」と呼ばれる一般人。事前に登録し、専用のチャージ器具を使い自宅でチャージしている。1回のチャージで5〜20ドル/台が支払われるので、本気でやるとそこそこの収入になるらしい。
因みに「Lime」のチャージャーは「ジューサー(Juicer)」って呼ぶんだって(ライムだからね)。笑

ヨーロッパでも大人気! 日本では根付くか?!

電動キックボードのシェアサービスはアメリカを始め、フランスやドイツなどのヨーローッパでも拡大中。2019年6月にフランスを旅行した際、パリっ子たちはすっかり使いこなしていて、BIRDやLimeをはじめ、4−5社が参入していました。地方都市(ドイツとの国境近くにあるストラスブルグ)でも電動キックボードは見かけたけど、こちらはレンタルではなく所有物だそう。パリ市内で500 EUROくらいで売っていました。ちょっと欲しいかも。

アメリカでも、2019年5月にBIRD社が電動キックボードを1299ドル/台で販売を、7月には月25ドルでレンタルを開始しました。通勤・通学に利用するなら都度拾うより、固定レンタルや所有が便利。だけど、買うにはフランス並の価格まで落としてほしいなぁ。

日本では2018年7月に「LUUP」が創業し、静岡県浜松市・奈良県奈良市など5都市と連携しながら日本でのサービスインを目指している模様。また、2019年9月には福岡市の公園でLimeの試乗会が開催され、日本でも電動キックボードが注目されつつあるみたい。8月にはKDDIがLimeに出資したそうだしね。確かに、地方都市を観光するには電動キックボードは手軽&便利な移動手段になりそう。

キックボードの次は電動バイク!

さて、モビリティサービスの最新情報としては「電動バイクのシェアサービス」。2019年春頃から新たな移動手段として、「WHEELS」が出現。電動キックボードが自転車型になったもので、ペダルはなく、スピード調整は電動キックボード同様に手元のスイッチを使います。「電動キックボードよりも安定感があって乗りやすいそうだな」と思っていたら、さすがBIRD電動。早速「Bird Cruiser」という2人乗りの電動バイクを2019年夏からスタート。アメリカのモビリティサービスの進化に目が離せません!

参考資料
Curbed LA
Bird

About the author

MAY

1999年より東京で、主にWebプロデュースに従事しつつ、オンラインショップの立ち上げ・運営などファッション系のプロジェクトにも参画。2011年より、長年の夢であった海外生活をすべくロサンゼルスに移住。
現在は現地のWebビジネス運営に関わりつつ、他媒体への執筆やアパレル買い付けのアテンドなども行う。

西海岸っ子たちの、自然体のユルさ、健康的な美しさ、自然(Nature)と遊び上手なところ、街や自然への愛情、、、は見ていて本当に羨ましくなります。"有機"ではなく本来の意味での"オーガニック"ライフだなぁと思います。『West Coaster』を通してそんな彼らの生活を紹介し、読者のみなさんに少しでもオーガニックな生活を楽しんでいただけたら嬉しいです。

趣味:街散策、キャンプ、国立公園巡り、LA/CAメイドのブランドを発掘すること