オーガニックとナチュラルの違いは?

アメリカで「ナチュラル」に
定義があるのは肉類だけ

アメリカで「オーガニック」製品と言えば、「アメリカでのオーガニック(有機栽培)とは?」で紹介したようにUSDA(アメリカ農務省)の厳しい審査を通り抜けた製品のこと。無農薬なのはもちろん農作地の作り方から使用する種、苗木まで厳しく制限されて作られる、言ってみれば正真正銘、体に悪いものが入っていないものと言ってもいいでしょう。

それに対して、「ナチュラル」の定義はあいまいで、生産者や企業が「ナチュラル」という言葉の響きが良いということで使っているという場合が多いようです(もちろん、なるべく体に良い原材料を使っている「ナチュラル」製品というのもありますが)。

ただ、USDAが唯一、肉類に関して「Natural(ナチュラル)」と表記するには「人工的な材料や着色剤などを使っておらず、最低限以上の加工を加えていないこと」というルールを設けているので、アメリカで「Natural(ナチュラル)」と書かれた肉は、これを守っている肉ということになります。ただ、肉以外の野菜や果物、魚などで「ナチュラル」と書かれた商品があっても、「ナチュラル」と表示されていない他の商品と比べて体に良かったり環境に良かったりする保障はないということでもあります。

 

不要な「ナチュラル」表記の使用は
訴訟になる可能性も

実は最近、アメリカでは「ナチュラル」という表記をやめる食品・飲料メーカーが増えています。それは、アメリカで「ナチュラル」の偽装表記に関する訴訟が多発しているからです。ここ数年では例えば、ペプシコ傘下のネイキッドジュースやベン&ジェリー社のアイスクリーム、フリトレー社のトルティーヤチップス、ケロッグ社のシリアルなど、大手食品メーカーが、商品の「ナチュラル」という表示に異議を唱えられ、次々と集団訴訟を起こされています。

ちなみに、ナチュラルの定義はあいまいと前述しましたが、アメリカの食品医薬品局(US Food and Drug Administration=FDA)は以下のように言っています。

「全ての食品は何かしら加工されていることがほとんどで、元々地球にあったものとは言いがたいので、厳密な意味で食品を“ナチュラル”と定義することは難しいです。ですから、FDAはこれまで“ナチュラル”やその派生語の定義をしてきませんでした。ただ、合成着色料や合成香料、その他合成物質が含まれていない食品を“ナチュラル”と呼ぶことに反対はしません」

いずれにしても、オーガニックの厳密な定義に比べるとあいまいな「ナチュラル」という表記。これはアメリカではもちろん、日本でも似たような状況ですから、体にいいものを食べたいと考えているのであれば、「ナチュラル」という表記にはこれから注意した方が良さそうですね。

 
 

◉引用元:

  • Difference Between Organic and Natural Food」(『Organic Facts』)
  • Meat and Poultry Labeling Terms」(USDA)
  • Jessica Alba’s Honest Company Slapped With $5Million Lawsuit Over Alleged Not-So “Natural“ Products」(『THE WRAP』)
  • 食品ラベルから消える「ナチュラル」の表記」(『The Wall Street Journal』)
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    Totti

    LA在住歴4年、フリーランスの編集者&ライター。四十路日本男児。日本では書籍や雑誌、Webメディアの編集および執筆、広告制作などに従事。
    元夜遊び大好き酒大好き全てのジャンクフード大好きの、超不健康児。しかし、LAに移住してから西海岸独自のオーガニック&ベジタリアン&地産地消な健康食カルチャーに目覚め、大好きだったタバコもやめ、毎日コールドプレスジュースやスムージーを作って飲むようになるなど、自分でもビックリするくらい生活スタイルが変わりました。
    『West Coaster』では主観もガンガンに入れつつ、皆さんにとって新鮮で人生のちょっとしたスパイスになるような西海岸の情報をお届けできればと思っています。ぜひ楽しんでください。