世界的に脱プラが叫ばれる昨今。
日米を行ったり来たりしていると、アメリカの方が進んでいるなと感じます。
そこで本記事では、普段アメリカ(カリフォルニア)で生活している中で感じる「脱プラスチック」の動きをまとめました。
紙ストローのその後

2018年にスタバがプラスチックのストローの段階的な廃止を発表した際には大きな話題になりました。当初は「紙ストローがすぐにふやける、飲みにくい」と評判は悪かったのですが、最近は素材・コーティングの改良で耐久性が向上してきています。
また、多くの都市や業界で「プラスチックのストローは原則提供しない」という運用が定着しています。例えば飲食店で“ストローは要るときだけ出す”形式が主流になり、ロサンゼルスなどは「ストローはリクエスト制」が広まっています。
スーパーの売場のビニール袋も脱プラ

スーパーにエコバッグを持参するのは今や日米共通ですっかり常識となりました。
カリフォルニア州では2010年代半ばからレジ袋は有料(10セント〜/枚)になり、2025年からは売場でのプラスチック製ビニール袋(produce bags)の提供が禁止され、植物由来のビニール袋が設置されるようになりました。
“Plant-based(植物由来)” ”Compostable(堆肥化)” 表示のビニール袋なので、「地球に優しく、土に還るのだろうな」と思いがちですが、その多くは産業用コンポスト施設で処理することを前提に作られている(家庭の生ごみ箱や通常の埋立では分解が進まない)ので実は注意が必要です。
Compostable表示で安心せず、“BPI”や“OK Compost”マークの有無まで確認しましょう。
※各認証マークの意味は本記事下部参照

脱プラ+脱カーボン
そして最近とても気になるのは、洗剤の固形化&洗剤のリフィル化。
洗濯洗剤と言えば”大きなプラスチック容器に入った重いモノ”が常識でしたが、最近ではシート状の製品がかなり増えてきました。


ハンドソープや掃除クリーナーなども、固形のタブレットをボトルに入れ、水を加えて液体にする「Just-Add-Water」製品が複数売場に並んでいます。



社会全体でのプラスチック容器の廃棄が減るだけでなく、輸送時の容積を小さくできるためにCO₂削減につながり、メーカーや小売店側にとっては保管スペースが少なくて済むというメリットもあります。
脱プラ素材で注意すべき表示ラベル
“Compostable(コンポスタブル/堆肥化可能)”
- 意味:
適切な条件で生分解して堆肥(有機物)になることを意図した表示。工業コンポスト(高温・高湿の施設)での処理を前提とするものと、家庭(home)コンポストでも分解することを求めるものがある。
第三者認証の代表例はBPI認証など。 - 注意点:
多くの「compostable」は 産業用コンポスト(municipal / industrial)向け。家庭の裏庭コンポストや一般の可燃ごみに出すだけでは分解されない/逆にコンポスト施設を汚染する可能性がある。
産業コンポスト向けの基準はASTM等で定められている。 - 消費者が気をつけること:
ラベルに「BPI認証」や「OK compost HOME」「ASTM D6400/D6868 など」があるか確認。地域の産業コンポスト回収があるか(利用可能か)をチェックし、施設がなければ“compostable”表示でも普通ゴミになりやすい点に注意。
“Home compostable(家庭堆肥化対応)” vs “Industrial compostable(産業堆肥化対応)”
- 違い:
"Home compostable"は家庭の堆肥条件(低温での分解)でも分解することを求める認証。
"Industrial compostable"は高温・回転などを行う産業処理での分解を前提にテストされる。
OK Compostの “HOME / INDUSTRIAL” 表示などで区別される。 - 消費者が気をつけること:
自宅で庭コンポストに入れたい場合は “home compostable” 表示か専用認証 を確認。家庭可否が書かれていなければ産業処理が必要と考える。
“Plant-based / Bioplastic(植物由来)”
- 意味:
原料が再生可能な植物(トウモロコシ、サトウキビなど)由来で作られたプラスチック素材(例:PLA=ポリ乳酸)が多い。植物由来=“すぐ自然に無害”ではない点に注意。 - 注意点:
植物由来のバイオプラスチックも、分解条件や副産物が異なる(例:PLAは産業コンポスト環境で分解しやすいが、家庭堆肥や埋立ではほとんど分解しない)。また最近の研究では、ある種のデンプン系バイオプラスチックが意外な環境・生体影響を報告している例もあり、過度の安心視は禁物。 - 消費者が気をつけること:
ラベルだけで「安全」だと決めつけず、処理方法(industrial / home)・認証マーク・用途(食品接触可/冷凍可)を確認する。
“Biodegradable(生分解性)”
- 意味:
微生物などで分解されることを意味する広い用語。だが条件(どのくらいの時間で・どの環境で分解するか)が曖昧で、誤解を招きやすい。 - 消費者が気をつけること:
この表示だけでは処理先が分からないので、どの規格でテストされたか(ASTM規格など)や第三者認証の有無を確認する。州レベルでは誤解を招く表示を規制する動きがある(カリフォルニアなど)。
“Recyclable(リサイクル可能)”
- 意味:
理論上は素材として再利用できる。ただし回収・選別インフラがないと実際は埋め立てられる。米国では地域ごとにリサイクル可能なものが異なる(コストや汚染で回収不可になる場合あり)。 - 消費者が気をつけること:
自治体のリサイクルガイドを確認。複合材(紙+プラスチック等)はリサイクル不可のことが多い。
“Oxo-degradable / Oxo-biodegradable”(注:要注意)
化学添加剤でプラスチックを割れやすくして自然分解を“促す”タイプ。環境への逆効果やマイクロプラスチック化の懸念から批判が強く、いくつかの地域で販売や表示が制限されている。カリフォルニア/他州でも誤解を招く表示に対する規制があるため、注意が必要。
いかがでしたか?
素材を変えることも重要ですが、そもそもの使用量をもっと減らしていきたいところです。