デカフェ(カフェインレスコーヒー)って何がいいの?

「コーヒーの効能とは?コーヒーって健康にいいの?」では、コーヒーを飲むことのメリット、デメリットについて紹介しました。その中で、カフェインによって起こるさまざまな副作用がいくつかありました。

・カフェインを摂り過ぎると、頭痛や動悸、不整脈、呼吸困難、胃痛、幻覚症状などが起こることがある。
・カフェインの摂り過ぎは、イライラや不安障害、動悸、パニック障害などにつながる。
・カフェインで睡眠障害に陥る人もいる。
・カフェインをカフェインを一度にとんでもなく摂り過ぎると最悪、死亡することもある。

死亡に関してはそんなバカな?と思うかもしれませんが、2012年にアメリカでエナジードリンク、「モンスターエナジー」(700ml)2本を飲んだ14歳の少女が「カフェインの毒性による心臓の不整脈」が原因で死亡したなんていう事件もあり、決して軽視はできなさそうです。

もちろん、カフェインを摂取することで目が覚めたり、脳が活性化されたりなどのメリットもあるのですが、デメリットの方をむしろ重く捉える人も多くいます。そこで生まれたのが、カフェイン成分を人工的に抜いたコーヒー豆を使って入れる”デカフェコーヒー”。英語で言うと”decaffeinated coffee”、略して”decaf coffee”と言われます。今回はこのデカフェコーヒーに迫ってみようと思うのですが、その前に。カフェインってどのくらい摂取すると本当に体に悪いのでしょうか?ちょっとでも飲むと、多かれ少なかれ上記のような症状が出るんでしょうか??

 

カフェインって1日にどれくらいまで摂っても大丈夫?

©Angie Born

コーヒー好きとしては、1日1杯くらいは飲んでもOKであってほしい… ©Angie Born

『caffeineinformer』というカフェインについて専門的に記述されているサイトを見てみました。カフェインは健康に問題のない大人の場合、1日に300〜400mg程度までであれば摂取しても上記のような副作用は起こらないとのこと(もちろん個人差はあります!)。400mgってどのくらい?というと、コーヒー1杯(236ml)には163mgのカフェインが含まれています。紅茶(ダージリンなどいわゆる”ブラックティー”)だと1杯で42mg、MEGUが作っているハーブティーなら基本的に0mg(!)。また、前述の「モンスターエナジー」は、500mlのものだと約160mgのカフェインが含まれているとか。

ちなみに、カフェインの1日の摂取許容量はその人の体重にもよるようで、『caffeineinformer』では体重からその人がどれだけ1日にカフェインを摂取していいかを割り出す計算機が付いていました(あくまでも参考ということですが)。僕の場合は、体重が約64kgで、飲んでも問題ない1日のコーヒーの量が236mlのカップで2.4杯(意外と少ない)、致死量は59.1杯だそうです(そんなに飲めるかい!という話ではあるんですケド…)。

…というわけで、こういう話を聞くと、「カフェインは避けた方が無難かも」と思う人は結構いるでしょう。…ということで、コーヒーの味や香り、栄養などはそのままに、カフェインだけを抜いたデカフェコーヒーについて迫ってみましょう。

 

デカフェコーヒーの作り方

スターバックスでもデカフェは気軽に注文できますね ©Chris Brown

スターバックスでもデカフェは気軽に注文できますね ©Chris Brown

まず、デカフェコーヒーのカフェイン濃度なんですが、フロリダ大学の研究チームが2006年に発表した内容によると、ドリップで入れたデカフェコーヒー1杯(236ml)に含まれるカフェインは平均して8.6〜13.9mgだそうです。通常のコーヒーの10分の1以下なので、これならカフェインの体への影響はほぼ全くなさそうです。

僕が今住んでいるアメリカでは、カフェインのネガティブな影響を気にする人たちが非常に多く、デカフェコーヒーがかなり一般に浸透しています。どこのスーパーに行ってもほぼ必ず何種類ものデカフェコーヒーの豆が手に入りますし、気の利いたカフェならだいたい用意されています。デカフェの方法にはいくつかあるのですが、基本的には味が落ちると言われています。それにもかかわらず、コーヒーの味にこだわりまくっているStumptown Coffee RoastersBlue Bottle Coffeeもデカフェの豆を出しているくらいですから、その浸透度は推して知るべしというところでしょうか。

では、カフェインが入っていないから体にいいのかというと、単純にそうとも言えないようです。デカフェコーヒーは人工的にカフェインを抽出、除去したコーヒー豆で入れたコーヒーのことなのですが、どのようなカフェインの抽出方法によってはあまり体に良くないこともあるようで…。

脱カフェイン処理には主に、以下の方法があります。

デカフェ処理は焙煎前の生豆に施されます ©Jessica Spengler

デカフェ処理は焙煎前の生豆に施されます ©Jessica Spengler

1.有機溶媒抽出法
コーヒーの生豆をカフェインが溶け出す有機溶媒に浸すことで、カフェインを除去する方法。現在はジクロロメタンという薬品が使われることが多いようです。大量の豆のカフェインを効率的に抽出するには安価で良い方法ながら、カフェイン以外の香りや栄養などさまざまな成分が一緒に失われてしまうのと、ジクロロメタンは毒性のある薬品でもあるため、洗浄はされていても安全性の面で不安が残ります。

ちなみに、コーヒーの生豆から水に溶ける物質(カフェイン+それ以外の成分)を抽出し、それを有機溶媒に通してカフェイン除去。次にカフェイン除去した成分を再びコーヒー豆に戻す…という手法もあります。有機溶媒が直接はコーヒー豆に触れないため、より安全でかつカフェイン以外の成分のロスが少ない点がメリットです。

2.スイス式水抽出法
溶媒は使わず、コーヒーの生豆を熱湯に入れてカフェインを含むさまざまな成分を抽出。この抽出した成分を活性炭のフィルターでろ過し、カフェインのみを取り除きます。そして、カフェイン以外の残りの成分は、コーヒー豆に戻されます。有機溶媒抽出法と比べて手間もお金もかかる(1の方法だと分離したカフェインを医薬品として売ることができるが、活性炭でろ過したカフェインはそこから取り出して売るということができないというのが理由だそう。「へ〜」ですね)方法ですが、化学薬品を一切使わないため、安全性が高いのが特徴。普通のコーヒーと比べるとやはり、香りや味が落ちると言われていますが、その技術は進化を続けているようです。前述のStumptown Coffee Roastersのデカフェのコーヒー豆も、この製法でつくられたものです。

上記以外に、新しい方法として超臨界流体の状態にした二酸化炭素でコーヒーの生豆からカフェインを抽出する「超臨界二酸化炭素抽出」があり、これも薬品の使用が必要なく安全で、しかもコーヒーの味や香りがほとんど失われないのというのが特筆すべき点。今のところ上記2つの方法に比べてコストがかかるというデメリットはありながらも、今後世の中に広まってくる可能性は十分にあります。そのほか、そもそもカフェインを持たないコーヒー豆の木の人工交配も研究されていますが、まだまだカフェインを100%近くなくすというのが難しく、実用には至っていません。

…というわけで、デカフェコーヒーを飲む際は、どういう方法でデカフェされた豆が使われているのかを、きちんと吟味した方が良さそうです。健康のためにカフェインを避けているのに、別の有毒物質を体に入れてしまうのでは本末転倒ですからね。以上、デカフェのお話でした!

 

◉参照元:


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