美容 西海岸カルチャー

世界のオーガニック認証・認定機関

01/31/2016

日本の化粧品メーカーも取得している
世界のオーガニック認証マーク

体に優しいメーカーや商品を選ぶ際の参考になるオーガニック認証マークですが、オーガニック後進国である日本にはこれといったオーガニック認証機関がなく、日本の化粧品メーカーも海外の認証を取得するケースがほとんど(詳しくは「西海岸&日本のおすすめオーガニックコスメブランド」をご覧ください)。特に「ECOCERT」「BDIH」マークを取得した商品はよく見かけます。ここでは、世界にはどんなオーガニック認証があるのか、ザザッとご紹介します!

ちなみに、それぞれの認証機関によって基準は異なりますが、主に…

・最終製品に含まれる自然原料の含有率
・植物原料に対するオーガニック原料の含有率
・遺伝子組み換え原料の使用を禁止
・原料を生産する土壌での遺伝子組み換え、化学薬品・化学肥料・農薬などの使用を禁止
・動物実験の禁止
・化学的な防腐剤使用の禁止
・環境に配慮した包装や容器を用いること

…などを規定して審査を行い、基準を満たしている商品には認証マークの表示を許可しています。

ソイル・アソシエーション / Soil Assorciation
(イギリス)

SoilAssociation_logo オーガニック先進国であるイギリスで1946年に設立された、世界最古のオーガニック認証機関。元々は食料品に関するガイドラインを制定し、認証を行っていました。「健康な土壌が健康な植物を育み、それが健康な体を生んでいく」という基本理念のもと、オーガニック認証以外に、オーガニック農法の技術指導や援助、消費者に対するオーガニックへの理解促進・啓蒙活動なども行っています。イギリスのオーガニック商品のうち、80%以上がソイル・アソシエーション認証を取得しています。さすが、オーガニック先進国!
▼オフィシャルサイト
http://www.soilassociation.org/

 

BDIH(ドイツ)

BDIH_logo完全な意味で自然派化粧品とは言えないコスメでも「ナチュラル」と謳う商品が増えてきたため、1996年にBDIH(英語で言うとFederal Association of German Industry and Tradeの略)が自然派化粧品のガイドラインを制定。「Certified Natural Cosmetics」マークを植物性オイルやワックス、ハーブエキス、エッセンシャルオイルなどに表記したことがはじまりです。自然原料、環境保護、動物実験などに関して厳しい基準を設けていて、BDIHの認定を受けている医療品、化粧品は、安全性が高い商品として世界でも高く評価されています。

▼オフィシャルサイト
http://www.ionc.info/

 

ECOCERT / エコサート(フランス)

ECOCERT_logoフランスで1991年に設立された国際有機認証機関。ヨーロッパで規定されているオーガニックの基準を満たしているかを審査し、認証を行っている第三者機関です。化粧品に関する認証は「COSMEECO」と「COSMEBIO」の2種類で、「COSMEBIO」の方がより厳しい基準が設けられています。例えば「COSMEECO」は植物原料の50%がオーガニックでなければならないところ、「COSMEBIO」は95%、同じく「COSMEECO」は最終製品の5%がオーガニックでなければならないところ、「COSMEBIO」は10%、といずれも「COSMEBIO」の方がより厳しい基準となっています。

▼オフィシャルサイト
http://www.ecocert.com/

 

USDA(アメリカ)

USDA_Organic11米国農務省(United States Department of Agriculture)が管轄する、アメリカの オーガニック認定基準。認可を受けた第3者認定機関のみがオーガニック認証を行い、USDAマークを付与することができます。USDAの表記は、オーガニック原料の含有率によって以下の3種類に分けられています。

①100% Organic:100%オーガニック原料(水と塩を除く)の製品
②Organic:95%以上オーガニック原料(水と塩を除く)の製品
③Made with Organic ingredients:70%以上オーガニック原料(水と塩を除く)の製品

USDAマークを使用できるのは、①と②の場合で、いずれも認証を行った機関名・住所の記載が義務付けられています。
③の場合、USDAマークは使用できませんが、成分表内にオーガニック原料名を3つまで、または原料のグループ名を記載することが可能です。
①②③のいずれにも当てははまらない(=オーガニック原料(水と塩を除く)が70%以下)の場合は「オーガニック」という言葉を使えません。

ただし、これらは主に農作物や食料品に対するオーガニック基準であり、化粧品に関する明確な基準は確立していないのが現状です。
アメリカで「オーガニック」として販売するには?」でもUSDAについて詳しく説明しているので、参考にしてみてください。

▼オフィシャルサイト
http://www.usda.gov/

 

NA TRUE / ネイトゥルー(EU、本拠地はベルギー)

NaTrue_logo2007年にヨーロッパの化粧品メーカーが中心となり、発足したオーガニック化粧品認証団体。「Dr. ハウシュカ」「LOGONA」「WELEDA」「Primavera」「Lavera」などのブランドが立ち上げに参画しています。「基準を一般公開する」「認証制度をビジネスにしない」などのポリシーを持ち、認証基準や認証プロセスをWebサイト上で全て公開しています。認証基準は英語だけでなく主要な各言語で用意されており、日本語版もありますので、興味のある方は読んでみてくださいね。(NATRUE CRITERIA

オーガニック成分の含有率を星の数で分かりやすく表示している点も、他の団体には見られない特徴です。
★★★NaTrueマーク:オーガニック認定成分の割合が95%以上
★★NaTrueマーク:オーガニック認定成分70%以上95%未満
★NaTrueマーク:オーガニック認定成分70%未満

▼オフィシャルサイト
http://www.natrue.org/

 

日本のオーガニックコスメ認定は
どうなっている?

日本には「有機JAS」という規格がありますが、これはあくまでも農作物に対するもので、化粧品には当てはまりません。そこで、2007年に環境NGOアイシスガイアネットにより、オーガニックコスメの普及を目的とした「日本オーガニックコスメ協会(JOCA)」が設立されました。この民間のNGO団体は以前から単行本『オーガニックコスメ』の発行に携わったり、イベントを開催することで、オーガニックコスメ製品を消費者に伝えたり、メーカーに対して提案やアドバイスを行ったりしていました。ただし、いまだに国としてのオーガニックコスメの基準はなく、またJOCAも認証マークを発行している訳ではありません。「どういった成分が自然由来のものなのか」「化学成分とは何なのか」などが自分で成分表から判別できるようになるなど、商品を選ぶ私たち消費者側の”見る目”も大切だと言えます。
▼オフィシャルサイト
http://joca.jp/

 

オーガニック認定だけが全てではない

ここまで、世界のオーガニック認証マークについてご紹介してきましたが、「オーガニック認定を受けていれば安全」「受けていなければ危険」というわけではありません。例えば、「エコサート認定を受けた工場で生産しています」と謳っていても、その製品が「エコサート認定を受けた工場の”生産ライン”で生産された」とは限らず、別の生産ラインで生産されている可能性もあるわけです。一方、オーガニック認証を取得していなくても、自社工場で徹底管理のもとに生産を行っている真面目なメーカーもあります。「地球にも、使う人にも優しいオーガニック製品」という本来の目的を忘れず、そういった姿勢を持つメーカーを応援するつもりで、信頼できるメーカーの商品を買うようにしたいですね。

◉引用元:

  • SoilAssociation
  • BDIH
  • ECOCERT
  • USDA
  • NATRUE
  • 日本オーガニックコスメ協会
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    MAY

    東京でWebマーケティング・ECコンサルに従事した後、2011年に長年の夢であった海外生活をすべくロサンゼルスに移住。現在はフリーランスとして旅をしながら様々なWebプロジェクトやアテンド案件に参画。
    趣味:街散策(#しべさんぽ)、ロードトリップ、キャンプ、国立公園巡り、イベント巡り(特にフェスと映画祭)、西海岸メイドの素敵なブランドを発掘すること。

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